2016.05.16/五千尺ホテル上高地/五千尺ホテル上高地 ホール
春のキュイジーヌとワイン ~続編~
先週に引き続き 春のディナーメニューのご紹介をします。
このお魚料理は、2泊目にご用意しています。
日本海産鰆の湯葉包み焼き 安曇野産の旬野菜と共に
湯葉を巻いた鰆をオーブンで焼き、表面をカリッとさせ魚の旨味を閉じ込めます。
付け合せにご用意しているお野菜は、ノカンゾウ(ユリ)・芽キャベツ・菜の花です。
この野菜を特製貝の出汁(はまぐり・あさり・ムール貝&エシャロット)でマリネします。
ソースは、あまり知られていないフランスジュラ地方産【ヴァンジュ―ヌ】というワインをベースに
福井産の小花ラッキョウとその漬け汁・生クリーム・バター等でつくったやや甘濃厚なソースです。
噛めばかむほど、魚から出てくる旨味とコクのある甘いソース。
五千尺ホテルにで2夜過ごさないと食べる事が出来ないとっておきのお魚料理です。
続いて・・お肉料理
信州馬ロース肉の炭火焼き 丸正醸造産甘露醤油と赤ワインのソ―ス
なんと、五千尺ホテルでは2泊目のメイン料理は、馬ロース肉を皆様のご提供しています。
お客様の反応は馬なんて食べたことないけど、ぜひ食べてみたいという方や、
信州産の馬が有名なことをご存じな方、馬刺しか食べたことない方はどのように出てくるか
楽しみな方もいらっしゃいます。ほとんどの方が、『こんなに馬って美味しいんだね』とおっしゃっていただいています。
中には、お苦手なお客様もいらっしゃるので、1泊目のお食事が終わった頃を見計らって
馬ロース肉か牛ロース肉かのどちらかをお伺いをしています。
松本でも有名な馬専門店から選りすぐりの馬肉を仕入れ、料理長のインスピレーションにより産み出される一品。
野菜は、馬肉との相性を念頭に入れ、青大根・黒クワイ・タロ芋・行者ニンニクを添えています。
ソースは、わざわざ馬肉用につくられた醤油【甘露醤油】をベースに赤ワインで調整しています。
そしてお皿のわきに添えられている、あらぎり山葵と熟成黒にんにくが馬肉とぴったり。
2夜目にしか出会う事の出来ないこの2つの料理をご紹介しました。
この2つの料理に合わせたワインが写真のワインです。
お魚料理には、【安曇野ワイナリーシャルドネ樽熟成 ’12】
優しい樽香と芳醇な果実味と、上高地に一番近いワイナリーとして今シーズンからお出ししています。
湯葉焼きの香ばしさが樽香と、果実味とソースの甘さとの相性がおススメです。
馬ロース肉の炭火焼きには、【ルーデュモン クルティエセレクション ブルゴーニュ ルージュ ’00】
肉質と肉の味と炭火焼きの香ばしさから、ワインは村名ワインか、熟成されたブルゴーニュルージュを選択します。
今回は、後者を選びました。
熟成されたピノノワールは茶色く野性的に変化した様子と土っぽさが溢れ赤い果実感は消えます。
16年間ずっと瓶の中で出番を待っていた複雑で優しい飲み口のワインです。
最近の大正池から見る穂高連峰
今まさに、新緑のシーズンが始まろうとしています。
五千尺ホテルにご宿泊し、上高地の新緑とお料理をお楽しみ下さい。
五千尺ホテル ソムリエ 谷口 充